LIXIL ラシッサ クローゼットドア 連動引き戸で収納の使い勝手が変わる 開口幅の考え方

LIXIL ラシッサ クローゼットドア 連動引き戸で収納の使い勝手が変わる 開口幅の考え方 ブログ

毎日の着替えや洗濯物の片付けで、クローゼットの扉が家具にぶつかったり、手前のスペースが狭くて動きづらいと感じたことはありませんか?実は、収納の使い勝手は「扉の開き方」ひとつで劇的に変わります。多くのリフォーム現場で採用されているLIXILの「ラシッサ」連動引き戸は、3枚の扉がスムーズに連動し、デッドスペースを最小限に抑える優秀な建具です。しかし、折れ戸と比べて「有効開口幅」がどう変わるのかを正しく理解していないと、布団が入らないといった落とし穴も。本記事では、カタログだけでは分かりにくい開口寸法の考え方や、後悔しない選び方をプロの視点で解説します。この知識があれば、家具配置の自由度が上がり、ストレスフリーな収納空間が手に入りますよ。理想のクローゼット作りのヒントを持ち帰ってください。

  1. LIXIL ラシッサ クローゼットドア 連動引き戸の特徴と仕組み
    1. 3枚の扉が連動して動くことで開口部を広く確保できる
    2. 折れ戸のように手前に飛び出さず横にスライドする構造
    3. ラシッサシリーズならではのデザイン性とスムーズな操作性
  2. 折れ戸と連動引き戸の違い クローゼットドアの種類別比較
    1. 開口幅の違い 折れ戸は全開になるが連動引き戸は一部残る
    2. デッドスペースの違い 折れ戸は手前 連動引き戸は枠の奥行き
    3. アクションの違い 連動引き戸はワンアクションで軽く開く
  3. 折れ戸から連動引き戸にすると何が変わるのか 生活動線のメリット
    1. ベッドや家具をクローゼットのすぐ手前に配置できる
    2. 扉が邪魔にならないため洗濯物をしまう動作がスムーズになる
    3. 端のデッドスペースが減り衣装ケースの引き出しが使いやすい
  4. 連動引き戸を導入する際の注意点と必要な設置スペース
    1. 3枚連動引戸はレールの奥行き寸法が折れ戸より広くなる
    2. 開口幅の違い 折れ戸は全開になるが連動引き戸は一部残る
    3. LIXIL ラシッサSなどで選べる下レールの種類と掃除のしやすさ
  5. 後悔しないための連動引き戸の選び方とプランニング
    1. 収納内部のレイアウトに合わせて左右どちらに寄せるか決める
    2. 使用頻度が高いゾーンを開けやすい位置に設定する
    3. 取っ手レスやミラー付きなどデザイン機能で選ぶポイント
  6. LIXIL ラシッサ クローゼットドア検討時の確認事項とカタログ活用法
    1. WEBカタログで詳細な寸法図や納まりを確認する手順
    2. ショールームで実際の連動の軽さと開口幅を体感する
    3. リフォーム会社へ相談する際に伝えるべき現状の寸法
  7. まとめ

LIXIL ラシッサ クローゼットドア 連動引き戸の特徴と仕組み

LIXIL ラシッサ クローゼットドア 連動引き戸の特徴と仕組み

3枚の扉が連動して動くことで開口部を広く確保できる

一般的な「引き違い戸(2枚建)」に対して、収納用の引き戸で不満に感じやすいのが「半分しか開かない」という点ではないでしょうか。右を開ければ左が閉まり、大きな荷物を入れようとすると扉が邪魔をする、そんな経験があるかもしれません。LIXILの連動引き戸は、3枚の扉が互いにフックし合いながらスムーズに重なり合うことで、この問題を解決しました。全幅の約3分の2にあたるスペースを開放できるため、クローゼットの中身を一目で見渡せる視認性の良さが手に入ります。

「開口率66%」がもたらす収納の自由度

わずかな差に思えるかもしれませんが、開口率が50%から約66%に広がることで、収納できる物の選択肢は大きく広がります。特に日本の家庭で悩みの種になりがちな「布団」や「季節家電」といった幅のあるアイテムも、扉を外すことなくスムーズに出し入れ可能です。

ドアのタイプ開口率(目安)出し入れのしやすさ
2枚引き違い戸約50%左右どちらか半分が常に隠れる
3枚連動引き戸約66%広い開口で大物も通りやすい

左右どちらにも寄せられるフレキシブルな動き

3枚の扉は左右どちらの方向へもまとめて寄せることができます。これは「整理整頓のしやすさ」において非常に重要なポイントです。

  • 真ん中に置いた衣装ケースも引き出しが引っかからない
  • 模様替えの際に左右の収納配置を気にしなくて済む
  • 掃除の際にデッドスペースを作らず隅々まで手が届く

「引き戸は奥の物が取りにくい」という定説は、連動タイプを選ぶことで過去のものになります。

折れ戸のように手前に飛び出さず横にスライドする構造

一般的な折れ戸タイプのクローゼットは、開ける瞬間に扉が手前へ飛び出してくるため、その分のスペースを常に空けておく必要があります。しかし、連動引き戸ならその心配は一切ありません。扉がレールに沿って横方向にスライドするだけのシンプルな動きなので、クローゼットの目の前まで空間を有効に使えるようになります。特に寝室や廊下といった、限られたスペースでの収納計画において、この構造の違いは日々の快適さに直結します。

家具を「あと数センチ」寄せられるメリット

ベッドやデスクの配置に悩んだ経験はありませんか。折れ戸の場合、開閉のために最低でも扉1枚分(約30〜40cm程度)の空間を確保しなければならず、家具のレイアウトが制限されがちです。引き戸であれば、この「開閉スペース」を計算に入れる必要がなくなります。

  • ベッドをクローゼットのすぐ手前に配置できる
  • 通路幅が狭くてもスムーズに人が通れる
  • 椅子に座ったままの状態でも中の物が取り出せる

身体を避けなくていいから動作が最小限で済む

意外と見落とされがちなのが、扉を開ける際の「人の動き」です。折れ戸を開けるとき、私たちは無意識に身体を一歩後ろに引いて、手前に来る扉をよけています。連動引き戸は横に引くだけなので、立ち位置を変える必要がありません。

ドアの種類開けるときのアクション必要なスペース
折れ戸手前に引く+身体を後ろに下げる扉の出っ張り+人の立つ位置
連動引き戸その場から動かず横にスライド人の立つ位置のみ

ラシッサシリーズならではのデザイン性とスムーズな操作性

毎日触れる場所だからこそ、見た目の美しさと動かしやすさは妥協したくないポイントです。LIXILの「ラシッサ」シリーズは、単に収納を隠すための扉ではなく、お部屋のインテリア性を高める建具として設計されています。3枚の扉が連動するという複雑な機構を持ちながら、驚くほど軽い力でスムーズに開閉できる操作感は、実際にショールームで体感した多くの方が採用の決め手にする魅力の一つです。

インテリアに合わせて選べる多彩なレーベル

ラシッサには大きく分けて2つのシリーズがあり、好みのインテリアスタイルに合わせて細かくカラーや質感を調整できます。特にクローゼットは壁面を占める面積が大きいため、壁紙に馴染ませるか、あえてアクセントにするかで部屋の印象がガラリと変わります。

シリーズ名特徴おすすめのスタイル
ラシッサSどんな部屋にも馴染むスタンダードな木目と単色シンプルモダン、ナチュラル
ラシッサD手作り感や素材感にこだわった個性派レーベルヴィンテージ、フレンチ、北欧

ストレスを感じさせない「シンクロ連動」の操作感

連動引き戸の最大の特徴は、1枚の扉を引くだけで残りの扉もスルスルとついてくる「シンクロ連動」機構です。重さを感じさせない設計になっており、両手に洗濯物を持っている時でも、指先ひとつで軽く開けられます。

  • 引手(取っ手)を目立たせないノイズレスなデザインも選択可能
  • 扉が枠にぶつかる衝撃音を和らげる消音設計
  • 掃除機がかけやすいフラットな下レール形状

機能性だけでなく、日々の「心地よさ」まで考え抜かれているのがラシッサの強みなのです。

折れ戸と連動引き戸の違い クローゼットドアの種類別比較

折れ戸と連動引き戸の違い クローゼットドアの種類別比較

開口幅の違い 折れ戸は全開になるが連動引き戸は一部残る

「とにかく間口を広く取りたい」という要望に対して、折れ戸は非常に優秀です。畳んだ扉の厚み分を除けば、ほぼ全開に近い状態でクローゼット内部を見渡せるからです。一方で、連動引き戸は構造上、どうしても扉1枚分が常に開口部に残ってしまいます。3枚連動タイプであれば開口率は約66%(3分の2)となり、残りの約33%は常に隠れた状態になります。「全開にならないと不便ではないか」と心配される方もいますが、実際の生活でその差がどう影響するかを具体的に見ていきましょう。

「一覧性」か「取り出しやすさ」か

折れ戸の最大のメリットは、ガバッと開けた時の視認性の良さです。どこに何があるか一目瞭然なのは大きな魅力でしょう。対して連動引き戸は、左右どちらかに必ず死角が生まれますが、扉をスライドさせるだけで必要な場所を大きく開けることができます。

ドアの種類開口の状態向いている収納物
折れ戸ほぼ全開(端に畳み代が残る)全体を見渡して選ぶ服や小物
3枚連動引き戸約3分の2が開く(1枚分残る)布団や衣装ケースなどの大物

布団収納には十分な広さを確保可能

「3分の1が残る」と聞くと狭く感じるかもしれませんが、一般的な一間のクローゼット(幅約160cm強)であれば、有効開口は1メートル以上確保できます。

  • 日本の一般的な敷布団(幅100cm)も余裕を持って出し入れ可能
  • 幅の広い衣装ケースも引っかからずに搬入できる
  • ただし、分解できない横長の大型家具などをしまう場合は注意が必要

日常的な収納において「狭くて困る」という場面は意外と少ないのが実情です。

デッドスペースの違い 折れ戸は手前 連動引き戸は枠の奥行き

「デッドスペース」と一口に言っても、扉の種類によって「部屋のどこが使えなくなるか」は全く異なります。折れ戸が部屋側の居住スペースを一部占領してしまうのに対し、連動引き戸はその影響をほとんど受けません。しかし、その代わりに連動引き戸には構造上避けられない「枠の厚み」という別のデッドスペースが存在します。リフォーム後に「思っていたより収納の中が狭くなった」と後悔しないためには、この性質の違いを正しく理解し、何を優先すべきかを天秤にかける必要があります。

3本のレールが走る分だけ「敷居」が太くなる

連動引き戸は3枚の扉を重ねてスライドさせるため、どうしてもレール3本分の幅が必要になります。一般的な折れ戸の枠に比べて、連動引き戸の枠(敷居)は奥行き寸法が大きくなる傾向があります。これにより、クローゼット内部の有効奥行きが数センチほど浅くなるケースがある点には注意が必要です。

  • 今までギリギリ収まっていた大きめの衣装ケースが入らなくなる可能性がある
  • ハンガーに掛けた服の袖が扉の裏側に触れやすくなる
  • 壁の厚みよりも枠が太くなる場合、壁から少し出っ張る納まりになることがある

空間への影響を比較して優先順位を決める

「部屋を広く使いたい」のか、「収納内部の奥行きを確保したい」のかによって、選ぶべき扉は変わります。

比較項目折れ戸(フリータイプ等)連動引き戸
部屋側の影響開閉時に手前約30〜40cmの空間が必要影響なし(家具を直前に置ける)
枠の奥行き比較的スリムで収納内を広く取れるレール幅の分だけ太くなり内部を圧迫する

寝室の通路確保を最優先にするなら連動引き戸が圧倒的に有利ですが、布団など奥行きギリギリの物を収納したい場合は、事前の寸法確認が欠かせません。

アクションの違い 連動引き戸はワンアクションで軽く開く

毎日開け閉めするクローゼットだからこそ、その「動作」にかかる手間は決して無視できません。普段何気なく使っている折れ戸ですが、実は「取っ手を掴んで手前に引き、さらに横へ押し込んで畳む」という複合的な動作を無意識に行っています。これに対して連動引き戸は、横にスッと滑らせるだけの完全なワンアクションです。LIXILの連動ユニットは非常に滑らかに設計されており、指先ひとつで操作できるほどの軽さを実現しています。この「動きの単純さ」は、忙しい朝の身支度や洗濯物の片付けにおいて、小さなストレスを積み重ねないための重要な要素となります。

身体の移動がいらない「ゼロ動線」の快適さ

折れ戸を開ける際、私たちは手前に飛び出してくる扉を避けるために、無意識に身体を一歩後ろに引いています。狭い廊下やベッドが迫る寝室では、この「一歩下がる」という予備動作さえも煩わしく感じるものです。連動引き戸なら、その場に立ったまま、あるいは車椅子に座ったままでも、体勢を一切変えずに開閉が完結します。

ドアの種類開閉のステップ身体の動き
一般的な折れ戸引く → 折る → 寄せる扉を避けるために後退が必要
連動引き戸横にスライドするだけその場から動かず操作可能

誰もが直感的に使えるユニバーサルな設計

握力の弱い高齢の方や小さなお子様にとって、折れ戸を完全に畳み切る動作は意外と重労働になりがちです。特に開け始めにはある程度の力が必要ですし、指を挟むリスクもゼロではありません。連動引き戸は初動が軽く、途中で止めることも容易なため、家族全員が安全に、そして直感的に扱える優しい建具と言えるでしょう。

折れ戸から連動引き戸にすると何が変わるのか 生活動線のメリット

折れ戸から連動引き戸にすると何が変わるのか 生活動線のメリット

ベッドや家具をクローゼットのすぐ手前に配置できる

寝室のレイアウトを考える際、最も頭を悩ませるのが「クローゼットの扉が開くスペース」の確保ではないでしょうか。特に6畳や4.5畳といった限られた空間では、ベッドを置くとクローゼットが開かない、あるいは人が通る隙間がないという問題が頻発します。連動引き戸は、扉が手前に出てこずレール上を平行移動するだけなので、この「開閉スペース」を計算に入れる必要がなくなります。家具をギリギリまで寄せられるため、お部屋の有効面積が実質的に広がります。

「あと30センチ」が部屋の広さを変える

一般的な折れ戸の場合、手前に引くために約30cmから40cm程度の空間を常に空けておく必要があります。このデッドスペースがなくなるだけで、置ける家具の選択肢は大きく変わります。

  • シングルベッドをセミダブルサイズにランクアップできる
  • 諦めていたワークデスクやドレッサーを配置できる
  • クローゼット前にラグを敷いても扉に引っかからない

模様替えの自由度が格段にアップ

「クローゼットの前だから何も置けない」という制約がなくなると、模様替えの楽しさも倍増します。

ドアの種類必要な前のスペース家具配置への影響
折れ戸約40cm以上ベッドや机を離して置く必要がある
連動引き戸0cm(通路幅のみ)クローゼットのすぐ横に家具を置ける

これまで「扉が開くかどうか」を基準に決めていた家具の配置も、これからは「どこに置きたいか」という自分の希望を優先して決められるようになるのです。

扉が邪魔にならないため洗濯物をしまう動作がスムーズになる

山盛りの洗濯物を抱えて各部屋のクローゼットを回る時間は、家事の中でも特に慌ただしいひとときです。そんな時、扉の開閉方式ひとつで作業効率が劇的に変わることをご存じでしょうか。一般的な折れ戸の場合、開けるために一度荷物を置くか、体をよじって手前に引く動作が必要になりますが、連動引き戸ならそのストレスがありません。扉が横にスライドするだけで手前への飛び出しがないため、クローゼットの直前までスムーズにアプローチできます。

「開けっ放し」でも通路を塞がない安心感

洗濯物をしまう際、何度もクローゼットと物干し場を往復することがあります。折れ戸を開けっ放しにすると、扉が廊下や部屋側に大きく飛び出し、通行の妨げになってしまいます。しかし、連動引き戸であれば開けた状態でも壁や枠内にコンパクトに収まるため、動線を一切邪魔することはありません。

  • 換気のために少しだけ開けておく使い方も容易
  • 家族が頻繁に通る廊下でもぶつかる心配がない
  • 忙しい朝や家事の最中に都度扉を閉める手間を省ける

両手がふさがっていても指一本で開閉可能

LIXILの連動引き戸は、3枚の扉がスムーズに連動して動く機構を採用しています。これにより、女性や高齢の方でも驚くほど軽い力で操作できるよう設計されています。

シチュエーション折れ戸のストレス連動引き戸のメリット
両手がふさがっている時手前に引くために一歩下がる必要がある横に少し引くだけでその場から動かず開く
片付けの最中開いた扉が邪魔で足元が見えにくい足元までフラットで障害物がない

この「一歩下がらなくていい」という小さな違いの積み重ねが、毎日の家事負担を確実に軽減してくれるのです。

端のデッドスペースが減り衣装ケースの引き出しが使いやすい

クローゼット収納で意外と見落としがちなのが、扉を開けた時にできる「死角」の問題です。一般的な折れ戸は、全開にしても畳んだ扉の厚みが両端(または片端)に残ってしまいます。このわずか10cm〜15cm程度の出っ張りが、実は収納効率を大きく下げる原因になっていました。連動引き戸に変更することで、このデッドスペース問題を根本から解消し、クローゼットの横幅いっぱいを有効活用できるようになります。

「引き出しが開かない」ストレスからの解放

クローゼットの端に配置した衣装ケースやチェストの引き出しを開けようとしたとき、畳まれた折れ戸にぶつかって全開にできない経験はないでしょうか。これを避けるために、わざわざ収納ケースを壁から離して置いたり、端にはあまり使わない物を置いたりと、工夫を強いられるケースが少なくありません。

  • 壁ピタで家具を配置しても引き出しがスムーズに動く
  • 端まで無駄なく収納スペースとして計算できる
  • 扉の裏側に隠れてしまった服を探す手間がなくなる

連動引き戸なら、扉を反対側にまとめて寄せるだけで、壁際のスペースも完全にオープンな状態になります。

左右どちらも「メイン」として使える利便性

折れ戸には固定端(動かない側)があるタイプも多いですが、3枚連動引き戸は左右どちらにも扉を寄せることができます。これは、季節ごとの衣替えや模様替えの際に非常に有利に働きます。

扉のタイプ端のスペース収納ケースの配置
一般的な折れ戸扉の厚みで死角ができる壁から少し離す必要あり
連動引き戸扉を退避させれば全開壁に寄せて配置可能

右端のコートを取りたい時は左へ寄せ、左端の引き出しを使いたい時は右へ寄せる。この単純な動作だけで、クローゼットの「隅」が一番使いやすい場所に変わるのです。

連動引き戸を導入する際の注意点と必要な設置スペース

連動引き戸を導入する際の注意点と必要な設置スペース

3枚連動引戸はレールの奥行き寸法が折れ戸より広くなる

リフォーム後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しやすいポイントの一つが、実は「枠の太さ」です。3枚連動引き戸はその名の通り、3枚の扉をスライドさせるためのレールが3本必要になります。そのため、一般的な折れ戸に比べて敷居(枠)の奥行き寸法がどうしても大きくなってしまいます。壁の厚みよりも枠の方が太くなってしまい、部屋側やクローゼット側に枠が出っ張ってしまうケースも少なくありません。特にギリギリの寸法で設計されたクローゼットをリフォームする際は、この「数センチの差」が命取りになることがあるのです。

壁厚と枠幅の関係を事前にシミュレーション

一般的な住宅の壁厚に対して、3枚連動引き戸の枠幅(見込み寸法)は広めに設計されています。折れ戸から交換する場合、既存の枠よりも太くなることがほとんどで、その分だけ居住スペースか収納スペースのどちらかを削ることになります。

ドアの種類枠の奥行き(目安)壁への納まり
一般的な折れ戸約80mm〜90mm壁厚内に収まりやすい
3枚連動引き戸約120mm〜130mm壁から少しはみ出す可能性がある

収納内部の「有効奥行き」が減るリスク

枠が太くなるということは、その分だけクローゼット内部の有効スペースが狭くなることを意味します。特に奥行きの浅いクローゼットでは、以下の点に注意が必要です。

  • ハンガーに掛けたジャケットの袖が扉の裏側に擦れる
  • 衣装ケースのサイズによっては扉が閉まらなくなる
  • 枕棚(上部の棚)の奥行き加工が必要になる場合がある

「たかが数センチ」と思わずに、今ある服や収納ケースが無理なく収まるか、枠の厚みを差し引いて計算してみることが大切です。

開口幅の違い 折れ戸は全開になるが連動引き戸は一部残る

「とにかく間口を広く取りたい」という要望に対して、折れ戸は非常に優秀です。畳んだ扉の厚み分を除けば、ほぼ全開に近い状態でクローゼット内部を見渡せるからです。一方で、連動引き戸は構造上、どうしても扉1枚分が常に開口部に残ってしまいます。3枚連動タイプであれば開口率は約66%(3分の2)となり、残りの約33%は常に隠れた状態になります。「全開にならないと不便ではないか」と心配される方もいますが、実際の生活でその差がどう影響するかを具体的に見ていきましょう。

「一覧性」か「取り出しやすさ」か

折れ戸の最大のメリットは、ガバッと開けた時の視認性の良さです。どこに何があるか一目瞭然なのは大きな魅力でしょう。対して連動引き戸は、左右どちらかに必ず死角が生まれますが、扉をスライドさせるだけで必要な場所を大きく開けることができます。

ドアの種類開口の状態向いている収納物
折れ戸ほぼ全開(端に畳み代が残る)全体を見渡して選ぶ服や小物
3枚連動引き戸約3分の2が開く(1枚分残る)布団や衣装ケースなどの大物

布団収納には十分な広さを確保可能

「3分の1が残る」と聞くと狭く感じるかもしれませんが、一般的な一間のクローゼット(幅約160cm強)であれば、有効開口は1メートル以上確保できます。

  • 日本の一般的な敷布団(幅100cm)も余裕を持って出し入れ可能
  • 幅の広い衣装ケースも引っかからずに搬入できる
  • ただし、分解できない横長の大型家具などをしまう場合は注意が必要

日常的な収納において「狭くて困る」という場面は意外と少ないのが実情です。

LIXIL ラシッサSなどで選べる下レールの種類と掃除のしやすさ

引き戸を選ぶ際、どうしても気になってしまうのが「レールの溝にゴミが溜まる問題」です。特にクローゼット内は衣類から出る綿埃が溜まりやすい場所なので、掃除の手間を懸念される方は少なくありません。しかし、現在のLIXIL製品では、日々のメンテナンス性と使い勝手を徹底的に考慮したレール形状が採用されており、生活スタイルや施工条件(新築かリフォームか)に合わせて最適な仕様を選ぶことができます。

リフォームにも新築にも対応する2つのタイプ

床を加工して埋め込むタイプと、上から取り付けるタイプがあり、それぞれの現場状況によって適したものが異なります。特にリフォームの場合は、床を傷つけずに設置できるかどうかが重要な判断基準になります。

レールの種類特徴とメリットおすすめのケース
埋込下枠床面と完全にフラットになり段差がない新築・床の張替えを伴うリフォーム
直付下レール厚さ3mm程度の薄型で躓きにくい床を既存のまま活かすリフォーム

掃除機がスムーズにかかるフラット設計

どちらのタイプを選んでも、レールの凹凸は最小限に抑えられています。昔の引き戸のように深い溝があるわけではないため、日常のお手入れも非常に簡単です。

  • 掃除機ヘッドが引っかからずスムーズに動く
  • 溝の幅が適度に広くホコリを吸い出しやすい
  • キャスター付きの衣装ケースもガタつかずに出し入れ可能

「レール=掃除が大変」という古いイメージは捨てて、機能的ですっきりとした足元を選んでみてはいかがでしょうか。

後悔しないための連動引き戸の選び方とプランニング

後悔しないための連動引き戸の選び方とプランニング

収納内部のレイアウトに合わせて左右どちらに寄せるか決める

3枚の扉が重なる「引き込みスペース」は、収納内部の使い勝手に直結する重要なポイントです。連動引き戸は左右どちらにも寄せられますが、普段の生活ではどちらか一方が定位置になることがほとんどです。特に注意したいのが、チェストや衣装ケースなどの「引き出し」との関係性です。扉を寄せた側に引き出しを置いてしまうと、全開にしても扉の重なりが邪魔をして、引き出しが最後まで開かなくなるトラブルが頻発します。中に入れる家具や収納グッズのレイアウトを先に決め、それに合わせて「右寄せ」か「左寄せ」か、あるいは普段どちらをメインに開けるかを決めておくことが、ストレスのない収納を作るカギとなります。

引き出し収納は「扉が溜まらない側」が絶対条件

衣装ケースやタンスをクローゼット内に入れる場合、それらは必ず「扉を開けた時に広い空間ができる側」に配置してください。連動引き戸は構造上、扉3枚分の厚みが端に残ります。

  • 引き出しが扉の木口(側面)に当たって開かなくなる
  • 毎回、扉を反対側に動かす手間が発生する
  • 無理に開けようとして扉や家具に傷がつく

こうした事態を避けるため、引き出し類は開口部が最も広くなる中央から反対側の端寄りに配置するのがセオリーです。

扉が重なる場所はハンガーパイプとして活用する

では、扉が重なって少し奥まってしまう場所(引き込み側)には何を置くべきでしょうか。正解は「ハンガーパイプ」です。ハンガーに掛けた服であれば、多少扉が被っていても手を入れて取り出すことが容易だからです。

収納アイテム扉の溜まり側(引き込み側)広い開口側
引き出しケース×(開閉時に干渉するリスク大)○(スムーズに引き出せる)
ハンガー掛けの服○(斜めから出し入れ可能)◎(一目で見渡せる)

このように「動きが必要な収納」と「吊るすだけの収納」を左右で使い分けることで、連動引き戸のメリットを最大限に活かせます。

使用頻度が高いゾーンを開けやすい位置に設定する

連動引き戸は左右どちらにも開閉できる自由度の高さが魅力ですが、日々の生活において「右も左も均等に開ける」という使い方は稀です。たいていの場合、部屋の動線や家具の配置によって「こちら側を開けることが多い」という自然な癖がつきます。収納計画を立てる際は、この「無意識に開けてしまう場所」こそが最も使いやすい一等地、いわゆるゴールデンゾーンになると認識しておきましょう。ここに使用頻度の高い衣類を集めることで、毎朝の身支度が驚くほどスムーズになります。

「扉の溜まり」になる場所を死角として計算する

3枚の扉を引き込んだ際、端には扉3枚分の厚みが重なることになります。この部分は物理的に手が入らないわけではありませんが、他の場所に比べて暗くなりやすく、心理的にアクセスしづらい「準・デッドスペース」になりがちです。ここには普段出し入れしない物を配置するのが鉄則です。

ゾーン特徴収納に適したアイテム
開口部(広い側)視認性が高く手が届きやすい毎日着るスーツ、制服、カバン
扉の溜まり側扉3枚分が重なり少し奥まる季節外れの家電、来客用布団、思い出の品

部屋の入口から最短距離を「一軍」の定位置に

特に意識したいのが、部屋に入ってからの歩数です。帰宅してすぐに着替えたい場合、部屋の奥まで歩くよりも、入り口に近い側を「メインの開口」に設定するほうが動作に無駄がありません。

  • 廊下から入ってすぐ手が届く位置にコート類を掛ける
  • 家具が置いてある側の扉は「あまり開けない側」として固定する

このように、人の動きに合わせて中身の配置を決めるだけで、使い勝手は格段に向上します。

取っ手レスやミラー付きなどデザイン機能で選ぶポイント

クローゼットの扉は、面積が大きいため「壁の一部」としてインテリアの印象を大きく左右します。機能性だけで選んでしまうと、いざ設置した後に「部屋が狭く感じる」「なんとなく野暮ったい」といった不満が出てくることも少なくありません。LIXILのラシッサシリーズは、空間に馴染むデザインや、生活を便利にする付加価値を自由にカスタマイズできる点が大きな魅力です。単なる収納のフタとしてではなく、暮らしを豊かにするインテリアアイテムとして、細部の仕様にもこだわってみましょう。

姿見が不要になる「ミラー付き」の賢い選択

特におすすめしたいのが、扉の1枚を鏡にする「ミラー付き」仕様です。寝室やウォークインクローゼットの中に姿見(スタンドミラー)を置くと意外と場所を取りますが、扉と一体化していればそのスペースを節約できます。

比較項目ミラーなし+姿見設置ミラー付き扉
設置スペース床に約30cm〜40cmのスペースが必要0cm(扉と一体化)
使い勝手移動させるのが面倒な場合がある着替えてすぐに全身チェックが可能

空間に溶け込む「引手」とカラーコーディネート

引き戸を開閉するための「引手(取っ手)」のデザインも、実は重要なアクセントになります。ラシッサでは、存在感を消したシャープなデザインや、アンティーク調の金具など、部屋のテイストに合わせて選ぶことができます。

  • 壁紙と同化させるなら「プレシャスホワイト」などの単色カラー
  • 空間を引き締めたいなら「アイアンブラック」の引手をチョイス
  • 木目の質感を重視して、あえて引手を目立たせないシンプル仕様

「神は細部に宿る」と言われるように、小さなパーツ選びがリフォームの完成度を高めてくれます。

LIXIL ラシッサ クローゼットドア検討時の確認事項とカタログ活用法

LIXIL ラシッサ クローゼットドア検討時の確認事項とカタログ活用法

WEBカタログで詳細な寸法図や納まりを確認する手順

リフォームの成否は事前の寸法確認にかかっています。LIXILの公式サイトでは、分厚い紙のカタログと同じ内容をWEB上で無料公開しており、スマホやPCからいつでも詳細な図面を確認できます。「専門的すぎて難しそう」と敬遠されがちですが、ポイントさえ押さえれば、誰でも自宅のクローゼットに合うサイズを調べることが可能です。特に、現地調査の前に自分で大まかな当たりをつけておきたい場合や、リフォーム会社からの提案が適正かチェックしたい時に、このWEBカタログが強力なツールとなります。

膨大なページから必要な情報を探すコツ

WEBカタログ(電子カタログ)を開いたら、まずは画面上の機能ツールにある「目次」や「検索」を活用しましょう。数百ページあるカタログの中から1ページずつめくって探すのは現実的ではありません。「クローゼットドア」や「連動引き戸」といったキーワードを入力して検索をかけるか、目次から「室内ドア・引戸」のカテゴリを選択してジャンプするのが最短ルートです。

  • 「規格表(価格表)」のページ: サイズのバリエーションと定価がわかります。
  • 「納まり図」のページ: 枠の形状や壁との関係、詳細な寸法が載っています。

特にチェックすべき「納まり図」の記号と見方

「納まり図」には無数の線が引かれており、一見すると複雑な設計図に見えます。しかし、ユーザーが確認すべき数値は以下の3点に集約されます。

図面上の記号意味(読み方)確認する理由
W / DW枠外幅 / 有効開口幅設置スペースと、物が通る幅を知るため
H / DH枠外高 / 扉の高さ天井の高さに収まるか確認するため
見込み枠の奥行き(太さ)壁から枠が出っ張らないか判断するため

これらの数値と、自宅の設置予定場所の寸法を照らし合わせることで、「入るか入らないか」の不安を解消できます。

ショールームで実際の連動の軽さと開口幅を体感する

カタログのスペック表やWeb上の画像だけで決めてしまい、いざ設置してから「思ったよりも開口が狭かった」「動きがイメージと違った」と後悔するケースは後を絶ちません。特に連動引き戸のような可動ギミックを持つ建具は、実際に触れてみないと分からない「感触」が非常に重要です。百聞は一見に如かず、リフォームの最終決定をする前に、お近くのLIXILショールームへ足を運び、実物を操作してみることを強くおすすめします。日々のストレスをなくすための時間は、決して無駄にはなりません。

指一本で動く「シンクロ連動」の滑らかさをチェック

カタログに書かれている「スムーズな開閉」という言葉が、実際どれほどのレベルなのかを確かめてください。ラシッサの連動引き戸は、驚くほど軽い力で3枚の扉が連なりながら動きます。

  • スタートの引き出し時に重さを感じないか
  • 閉まる直前のブレーキ(ソフトモーション)の効き具合
  • 扉同士が重なる際の音の静かさ

これらは動画では伝わりにくい感覚的な部分ですが、毎日使う上では非常に大切な要素です。

実際に身体を入れて「有効開口」のリアルな広さを知る

数字上の「有効開口100cm」と、目の前にある「100cmの隙間」では、受ける印象が大きく異なります。実際に全開にした状態のクローゼット前に立ち、物の出し入れをシミュレーションしてみましょう。

チェック項目確認のポイント
開口幅の体感両手を広げて幅の感覚をつかむ
扉の重なり厚収納内部へ手を入れる際に邪魔にならないか

可能であれば普段使っているメジャーを持参し、自宅の収納物の幅と照らし合わせながら確認すると、より失敗のない選択ができます。

リフォーム会社へ相談する際に伝えるべき現状の寸法

プロに相談する際、「家のクローゼットを新しくしたい」と伝えるだけでは、具体的な提案や正確な見積もりをもらうことはできません。特に連動引き戸への変更は、一般的な折れ戸や開き戸とは異なる設置条件が必要になるため、現状の寸法情報がプランニングの成否を握っています。事前にメジャーを持って数カ所を計測し、その数値をメモして持参するだけで、現地調査の手間が省けたり、施工可否の判断がその場でスムーズに行えたりするメリットがあります。正確な採寸はプロが行いますが、初期段階での概算見積もりを精度高く出してもらうために、最低限把握しておくべきポイントを押さえましょう。

「幅・高さ・奥行き」の3点は必ず内側を測る

まず基本となるのが、現在設置されているクローゼット枠の内側の寸法です。これを「内法(うちのり)寸法」と呼びます。

計測箇所測り方のポイント重要性
幅(W)枠の内側から内側の距離設置可能なドアサイズが決まる
高さ(H)床から枠の上部内側まで特注サイズになるかどうかの基準
奥行き(D)枠の厚み(見込み)連動引き戸の太い枠が収まるか判断

特に「枠の奥行き」は重要です。連動引き戸のレール幅は120mm前後あるため、現在の枠や壁の厚みが薄すぎると、枠が部屋側にはみ出してしまう可能性があるからです。

数字だけでは伝わらない情報は「写真」で補完する

寸法メモと一緒に、スマホで撮影した現場写真を見せると、話がより具体的になります。リフォーム会社が知りたいのは、単なるサイズだけでなく「どのように取り付けられているか」という納まりの情報だからです。

  • 扉を閉めた状態の全体写真
  • 枠の角や下レールのアップ写真
  • クローゼット内部の床や天井の状況

また、クローゼットのすぐ近くに窓枠、カーテンレール、エアコン、コンセントなどがないかも確認しておきましょう。これらが新しい枠と干渉する場合、移設工事が必要になるケースがあるからです。

まとめ

LIXILのラシッサ連動引き戸は、単に収納を隠すだけでなく、デッドスペースを解消し、部屋を広く快適に使えるようにする賢い選択肢です。扉が手前に飛び出さないため家具を自由に配置でき、ワンアクションで軽く開く操作性は、日々の家事ストレスを大きく軽減してくれます。導入にあたっては、折れ戸との構造的な違いを正しく理解しておくことが重要です。特に3枚連動タイプ特有の枠の奥行き寸法や、全開時でも扉1枚分が残る開口幅については、収納したい布団やケースのサイズと照らし合わせた事前のシミュレーションが欠かせません。まずはWebカタログで詳細な納まり図をチェックし、お近くのショールームで実際の動きや質感を体感してみてください。その上で、正確な採寸メモを持ってプロに相談することが、理想のクローゼットを実現する最短ルートです。

LIXIL | リビング・寝室・居室 | ラシッサ | 特長
4つのレーベルの世界観を再現する色彩や、ディテールへのこだわり、住む人が快適に過ごせる機能など、ラシッサの様々な特長をご紹介します。

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さがすリノベーション

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理想の住まいを手に入れるためには、新築だけが選択肢ではありません。中古物件を購入し、自分好みにリノベーションすることで、より魅力的な住環境を実現できることをご存知でしょうか?今回は、LIXILリフォームショップが提供する「さがすリノベーション」の魅力と、そのステップについて詳しくご紹介します。このパッケージは、物件探しからリノベーション、アフターメンテナンスまでをワンストップでサポートするサービスです。

◎さがすリノベーションのメリット
①ローン負担の軽減
「さがすリノベーション」では、中古物件の購入とリノベーションをセットにすることで、ローン負担を軽減することができます。新築物件を購入するよりも初期費用が抑えられるため、家計に優しい選択肢となります。

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◎さがすリノベーションのステップ
①資金計画
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③設計・施工
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